人類の歴史を考えれば、特定人種の至上主義がいかにくだらないか!

アメリカのバージニア州シャーロッツビルでは、南北戦争で黒人奴隷制度維持のために戦った南軍のロバート・リー将軍の銅像の撤去に当たって、衝突が起きました。白人至上主義者とそれに抗議する人たちが衝突して、不幸なことに女性一人が亡くなりました。オルトライトといわれる白人至上主義の人達に対して、トランプ大統領がオルトレフトという新たな造語を作り、双方にも問題があると発言したため、白人至上主義を擁護する発言として物議をかもしています。

もっともアメリカは日本などと比べて、問題を内包しながらも様々な人々が共存している国なので、その多様性の凄さには敬服する限りです。一方で、移民の人達に仕事を取られたという意識があり、これに乗っかって大統領選を戦ったのがトランプ氏ということでしょう。やはり「衣食足りて礼節を知る」ということなのでしょうか?国家というものがある以上、経済活動の観点からも不法移民の取り締まりというのは行われるべきだと考えます。ただそれを白人至上主義や、他人種、他民族や他文化に対するヘイトに広げていこうとするのは明らかな愚行であると言わざるをえません。

そもそも人類の起源はアフリカ

どこまで遡るのか?と言われるかもしれませんが、私は人類文明を考えるにあたり、その起源から考えるようにしています。700万年くらい前にチンパンジーと枝分かれして、二足歩行になったのは200万年くらい前。当時のアフリカは乾燥のため木が減ってきたので、地上に降りるしかなくなり、敵から身を守るためにも二足歩行の方が好都合だったとか。猿人~原人などと進化して、我々の直接の祖先は今から15万年くらい前に今の東アフリカに生まれたそうです。

9万年くらい前には現在のサハラ砂漠には緑があり今のイスラエルのあたりに移動した人たちがいたらしいのですが、その人たちは絶滅。7万5000年前にスマトラでの火山の爆発により灰が空を覆い、地球上の気温が急激に下がったときには、当時2万人いたといわれるアフリカ大陸の我々の祖先も5000人くらいまで激減したとか。

共生の概念をもった人達の子孫が我々

その時に生き残った人類は「分ける」という概念、今でいう共生という考えが強かった人たちとのことです。地球の気温が下がり食料も減ったとき、戦って奪い合いをしているとお互いに被害が大きくなる。分けると被害が少ないということです。簡単にいえば、20人ずつの集団がいたとして、戦ってしまうと勝った方は10人残るが、負けた方は3人くらいになる。食料を分かち合うと、15人ずつは残れる、といったようなことではないでしょうか?この試練がなければ、共生の概念が生まれず我々の文明はまだ開化していなかったかも知れません。

アフリカから出たご先祖はたったの500人

6万年くらい前には、寒冷期であったためアラビア半島と東アフリカの海峡は狭く、当時の技術でも渡れるくらいだったとか。人が移動して、それから地球上に広く人類が進出していったとのことです。当時、アラビア半島に渡って生活圏を広げてきた人類の数は、現代の遺伝子調査などから推測するとたったの500人とか。アジア人、中東の人達、ヨーロッパの白人、オーストラリアの先住民、もちろん日本人も、ネイティブアメリカン等も、その祖先はたったの500人とか。ここまで遡らなくても、白人至上主義者のネオナチのリーダーの遺伝子を調べたら、北アフリカの黒人の遺伝子が14%入っていたとかいう報道もありました。これはむしろアメリカならではの素晴らしい話だと私は思います。

因みに、日本には3万年くらい前から、当時陸続きだった樺太や海峡が狭かった朝鮮半島から、そして南方の海洋民族の人達が日本列島に移り住んできたようです。他の人類である、ネアンデルタール人はヨーロッパ大陸に暮らしていたらしいのですが、3万年くらい前に絶滅。1万3000年くらい前には東南アジアにいた人類も滅んだようです。

人類の短い歴史の中でいがみ合うのは愚行

地球の歴史を1年とすると、我々の直接のご先祖が地球に現れたのは大晦日の年が明けるたったの15分ほど前です。恐竜が滅んだ6500万年まえでも、クリスマスは終わっている12月27日になるころ。そもそも隕石が地球に激突して恐竜が滅びなければ、我々のご先祖の哺乳類は栄えず未だに恐竜が支配していたかも知れません。

こういうことを考えると、我々人類は本当に奇跡の連続の中から生まれたわけで、この文明を共に永く引き継いでいかなければならないと改めて思います。そして、その人間同士が、どっちの民族や人種が上だとかくだらないことを言い合う、これほど馬鹿げたことがあろうか、と思う次第です。心の底からそう思います。

村上のりあつ【衆議院】大阪府第1区総支部長
大阪生まれ、大阪育ち。 同志社大学卒業後は主に東京で仕事をし、アメリカのイェール大学では経営学を学びました。 コンサルティング会社、グローバル企業であるロイター通信やフォード自動車等では人事の責任者として経験を積み、長年ビジネススクールの講師も務めております。 グローバルと日本の両方の経験を、是非とも大阪の皆さんとともに国政に活かしたい、その思いでいっぱいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です