緩んでいるのは2年生議員ではなく、自民党の中枢

稲田防衛大臣の暴言、それをかばおうとする安倍首相。稲田氏は、自衛隊を自民党内の下部組織くらいに思っているのでしょうか?「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と選挙応援で語っているのは、呆れてものが言えません。この発言は自衛隊の政治利用として大問題になっていますが、安倍首相に罷免する様子がないということは、稲田防衛大臣は撤回したから済んだとでも思っているのでしょうか。その謝罪も「誤解を招きかねない表現で申し訳なかった」という、発言の受け手側の能力不足を示唆するような物言いです。

そもそもこんなもの、撤回して済むはずがありません。「謝って済んだら警察は要らない」という程度の、幼稚な表現で批判するに値するお粗末さです。選挙応援でのリップサービスだから、ちょっと盛り付けて言ってしまった、と稲田防衛大臣をかばっている議員がいますが、言葉というのは心の深層が出てくるもの。稲田防衛大臣には「自衛隊は自分たちの組織」という心持ちがあったと推察できます。

安倍首相は、国会閉会後の6月19日の記者会見で「今後、何か出てくれば、真摯に説明していく」と明言しました。するとその当日、夜のNHK番組で早速、萩生田官房副長官が加計学園ありきに関与したと思える新たな文書が出てきました。その当日に真摯に説明するとおっしゃった安倍首相ですから、当然のことながら真摯に説明するのかと思いきや、国会の閉会中審査には応じない。そして、憲法に規定されている臨時国会開催を野党が要求しても応じない。

竹下国会対策委員長は「東京都議会議員選挙が終わってから考える」と。これは相当ふざけた話です。都議選の最中の審査や臨時国会だと、首相が説明責任を果たさない様がテレビ番組で流れることを懸念してとのことでしょうか。国民に真実を少しでも見せないうちに都議選が終え、どうしても開かざるをえなかったら選挙の後だ!ということなのでしょう。そもそも、都議選の最中に共謀罪のデタラメ答弁をこれ以上目の当たりにさせないよう、加計学園問題での政治の私物化をこれ以上は国民にばれないよう、通常国会を延長せず中間報告という前代未聞の暴挙で共謀罪を通したのですから、やり口は透けて見えます。

更に出てきたのが、下村幹事長代行への加計学園からの献金疑惑。20万円超の寄付は名前を公表しなければならないのに、加計学園から入った形跡のある200万円分が記載されていない。なんと、200万円を11で割って一人頭、名前を公表する必要のない20万円以下にしていることも非常に怪しいわけです。これについても、下村幹事長代行は説明責任を果たそうとしない。

そしてまた出てきたのが、安倍首相の「加計学園の1校にしか認めなかったのが間違いのもと。地域に関係なく、2校でも3校でも意欲あるところにはどんどん獣医学部の新設を認めていく」という発言。これまでは「加計学園1校になった過程で、首相の意向が反映されるはずもない」と言ってきておきながら「2校や3校でも…」発言では、まさしくご自身のご意向で2校や3校にすることが可能とおっしゃっておられるようなもの。やっぱり、安倍首相のご意向は効いていたということではないのでしょうか?支離滅裂とはこのことです。

真摯に説明するといいながら、説明責任を果たそうとする意識のかけらも見えない有言不実行さ。国民の目から逃げることばかり考え、挙句の果てには支離滅裂な発言まで飛び出す。秘書への暴力沙汰や重婚結婚式だのといった、自民党の2年生議員の度重なる不祥事が問題になっていますが、よくよく見ると緩みまくっているのは、まさしく政権中枢です。首相から大臣からまさしく「ズブズブ」の状態という表現がまさに当てはまる感じです。

村上のりあつ【衆議院】大阪府第1区総支部長
大阪生まれ、大阪育ち。 同志社大学卒業後は主に東京で仕事をし、アメリカのイェール大学では経営学を学びました。 コンサルティング会社、グローバル企業であるロイター通信やフォード自動車等では人事の責任者として経験を積み、長年ビジネススクールの講師も務めております。 グローバルと日本の両方の経験を、是非とも大阪の皆さんとともに国政に活かしたい、その思いでいっぱいです。

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