費用負担を強いられたあげくに損をする、大阪市廃止分割

大阪市民にとってメリットなし! 

大阪で、11月1日投票日の住民投票。大阪を廃止分割するのに、大阪市民は完全移行に1,340億円、さらには毎年200億円以上もの余分な負担が懸念されます。費用をかけても、いい結果がもたらされるのであれば議論の余地がありますが、なんと大阪市民が支払う税金の約2/3が府に召し上げられ、そのうちの1/3はどうも戻ってこない。その金額が毎年2,000億円(有権者一人当たり9万円ほど)と見積もられます。

繰り返しになりますが、1,340億円の移行コストに毎年200億円ほどの運営費用増加を強いたあげくに、2,000億円もの税財源が戻ってこない。これはどうみても大阪市民にはマイナスしかない。これでは反対しかあり得ないのです!

税財源がなくなれば、当然懸念される住民サービスの低下! 

大阪市を廃止して特別区を設置すると、自治体として格下げになり権限と財源が失われる。これは総務省の答弁です。有権者一人当たり約9万円ものお金が減るのであれば、住民サービス低下を懸念する声が出るのは当然のことでしょう。お年寄りが、地下鉄やバスに割安で乗れる敬老パスがなくなるのではないか。子育て支援、市民プールや病院など、減らされるのではないか、という不安が募ります。

廃止分割しても、移行時点は住民サービスを維持するとおおさか維新の皆さんは説明されていますが、その先は分かりません。協定書によれば「維持するものとする」という努力義務のみ。そもそも、今後とも今の大阪市民に税源を残していくのであれば、わざわざ大阪市を廃止する必要は無い訳ですから、努力義務にとどめるのは大阪市を廃止分割する方にしてみれば当然でしょう。

人口比で見ると、大阪府議会では、今の大阪市内の選出議員数は3割ほど(東京は7割)しかいないことを考えると、大阪市が廃止分割されれば、今の大阪市民の発言権が弱まることは必至です。莫大な費用負担を強いられたあげく、住民サービス低下の危機、大阪市民にしてみれば、不安極まりない話です。

二重行政はもうありません!

二重行政の撤廃が大阪市廃止分割のメリットだと、維新の皆さんは主張されておられます。一方で「二重行政はもうない」とおっしゃっているのが、おおさか維新の松井一郎大阪市長。矛盾していますね。

彼らの主張は、今の大阪は市長と知事が同じ党派だから、話し合いで二重行政が解決できるているとのこと。しかし、大阪以外では、政令市長さんと知事さんが違う党派の場合はあるし、それでも話し合って調整して自治体運営をされています。例えば、名古屋の河村市長、思想信条の違いから大村愛知県知事のリコール騒ぎまでになっていますが、自治体行政に関しては、調整しながらやっていると説明されておられます。名古屋市のホームページです。

http://faq.city.nagoya.jp/FAQ_K/K200.aspx?KOEID=00000342

維新の皆さんは、維新同士でないと、話し合いさえできないのでしょうか?それとも、維新でないと話し合う気がないか、違う党派だと敢えて問題を起こしてきた、ということなのでしょうか?

話し合いは低コストである前に、民主主義の要諦!

話し合いで解決するのであれば、1,340億円もの費用負担は必要ありません。もちろん、毎年200億円を超える運営費用の増加もないし、挙句の果ての大阪市民に対する住民サービス低下の危険もありません。話し合うのに、会議室とお茶代くらいは必要でしょうが…

政令市と道府県との話し合い、これは費用もほとんどかからない秀逸な方法である以前に、話し合いは、異なる意見を理解し合う、民主主義の大切なプロセスに他なりません。大阪府に権限を集中しようとする維新の皆さんは、この大切な手続きを軽んじておられるのでしょうか?

多額の費用負担を強いたあげくに、住民サービスを低下させてまでやろうとしている大阪市廃止分割。その目的が、既に大阪でもなくなっており、どこも話し合いで解決している二重行政とは… 普通に考えたら、こんな変なものは反対しかないのです。

村上のりあつ【衆議院】大阪府第1区総支部長
大阪生まれ、大阪育ち。 同志社大学卒業後は主に東京で仕事をし、アメリカのイェール大学では経営学を学びました。 コンサルティング会社、グローバル企業であるロイター通信やフォード自動車等では人事の責任者として経験を積み、長年ビジネススクールの講師も務めております。 グローバルと日本の両方の経験を、是非とも大阪の皆さんとともに国政に活かしたい、その思いでいっぱいです。

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