スターバックスやマクドナルドが温故知新を促進する

現代社会の環境変化の速さをいうのに、よく私が引用する例で、マクドナルドが世界にビジネス展開するのに30年を要したが、スターバックスはほんの5年で達成してしまった、というがあります。現代社会はIT技術の進歩も含めて、もの凄いスピードで動いているので、常に環境変化を意識して変化に対応すべく準備し、自己変革力を高めなければばらないと考えます。夏が来れば薄着になり、冬が来れば厚着になる、という至極当たり前の環境対応です。

こういう話をするとたまに、そもそもマクドナルドもスターバックスも要らない。文化が均一化していくのは好ましくない、という批判を受けることがあります。海外文化の均質的なものが入ってくると日本の良さを壊してしまう、文化の均質化を促進するようなものは不要だということです。

この考えには私は反対です。スターバックスでいえば、それなりの上質なコーヒーを比較的低価格で、そして爽やかな接客で提供しています。ドトールコーヒーなどは更に標準化した手順でコーヒーやホットドッグなどを安価に提供して、消費者のニーズに応えているのです。マクドナルドもハンバーガーを100円そこそこで食べられるという大きなメリットがあり、あまりお金をもっていない学生さんの集まりの場として、またはサラリーマンの皆さんの軽いランチや一服のコーヒーとしても人気です。この利便性を手放す必要はありませんし、時代を逆行させて高額のコーヒーやハンバーガーしかない昔に戻れるはずもありません。

そもそも、スターバックスやマクドナルドが入ってくると、伝統的な文化が希薄化され単一のカルチャーになるのでしょうか?私はそうは思いません。スターバックスやマクドナルドはあったとしても、他にもグルメバーガーができています。スターバックスより高いが、オーガニックなどの付加価値を付けたコーヒーも売れています。日本のお茶屋さんもよく見かけます。

料理でいえば、多様な料理を日本人の工夫で無国籍料理として美味しいものを作って売り物にしている、ハイブリッドなお店も繁盛しています。ワインが入ってきたからといって、日本酒がなくなるわけではありません。ワインのお蔭でさらに日本酒が磨かれることもあるでしょうし、海外にも紹介されることもあります。

つまり海外から標準化されたものが入ってきたからといって、日本の良さがなくなることはありません。逆に、これら標準化されたの外国文化が身近にあり経験できるからこそ、自分たちの文化の価値を、良い面も改善すべき面含めて再確認できることだってあるのです。多様を受け入れて刺激しあいながら、伝統をさらに磨き花開かせる!これこそが、温故知新ではないでしょうか?

村上のりあつ【衆議院】大阪府第1区総支部長
大阪生まれ、大阪育ち。 同志社大学卒業後は主に東京で仕事をし、アメリカのイェール大学では経営学を学びました。 コンサルティング会社、グローバル企業であるロイター通信やフォード自動車等では人事の責任者として経験を積み、長年ビジネススクールの講師も務めております。 グローバルと日本の両方の経験を、是非とも大阪の皆さんとともに国政に活かしたい、その思いでいっぱいです。

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