自民党の保守観とは?

先日、知人と話していたら、保守とか改革という言葉が頻出してきました。確かに、最近は特によくニュースなどでも耳にします。このテーマでこれからいくつかブログを書いていきたいと思います。保守層とか改革勢力とかいう言葉を最近よく聞きます。保守とは読んで字のごとく、保ち守るわけですから変化を好まないということでしょうか。改革とは逆に、改め変えていくことなのでしょう。

今日は、自民党の保守観というものを考えてみたいと思います。

ここでいう保守ですが、保守といってもいろいろあります。「昔は良かった~」とおっしゃられ日本の伝統を活かすべき、という方々は多くいらっしゃいます。そこで不思議に思うのですが、伝統を活かすといってもいつの頃の伝統なんでしょうか?奈良時代か平安時代でしょうか?鎌倉や室町時代、さらには戦国時代か江戸時代から明治時代、昭和初期や第二次世界大戦後の万博まで?いやいや、日本に人類が移り住んできたといわれる3万年くらい前か、縄文時代か弥生時代か…

まあ前史時代は別にして、歴史が残っている時代だけ見ても、それぞれ特徴があり全然違う時代なのです。保守層といわれる方々は、どの時代を古き良き時代と考え、それにもっていこうとしているでしょうか?

保守という言葉自体、そもそもビッグワードで曖昧なものですから、人により捉え方が異なるのはある意味仕方ありません。実は私も保守といえばある意味保守で、日本の伝統的な食べ物や着物などの衣類は好きです。自分では着こなすことはできませんが、パーティーなどで友達が和服で来てくれると嬉しいものです。また、京都や奈良の街並みは大好きですし、東京に長く暮らしても、昔から使っていた大阪弁は全く抜けていません。立派な保守だと自認してます。

それぞれ自分なりの保守観というものがあると思いますが、自民党の保守観はどうでしょうか?彼らの新憲法草案からそれが垣間見えます。現行憲法13条にある個人の尊重に関して「個人として尊重、公共の福祉」という前提がありますが、自民党の草案では「人として尊重、公益及び公の秩序」になっています。公益、つまり公の利益、そして公の秩序が優先されるというのは非常に恐ろしいことではないでしょうか?これは21条の表現の自由にも関連しており、公益及び公の秩序を害しない、という前提が記されています。

そうなると例えば、2015年に強行採決された違憲といわれた安全保障法制に反対して国会前に集まったデモの人達は、公益を害するといわれてしまうと規制の対象になる可能性さえでてきます。反原発デモや沖縄の辺野古反対の運動もしかりです。この13条や21条は氷山の一角で、他にも24条の家族に関する条項や、さらには追加されようとしている緊急事態条項など、国民の自由を縛る内容が盛りだくさんになっています。

これらの一連の流れをみると、自民党の保守層と言われる人達にとっての保守観は、昭和初期の第二次世界大戦前のものなんだなということが推察されます。国民の自由を制限し、国家の力を強めて、家族観などの価値観を押し付けてくる。まさしく、思想統制型です。憲法は地味な議論ではあるのですが、我々国民を権力から守る非常に重要なものです。しっかりと考えていく必要があります。

村上のりあつ【衆議院】大阪府第1区総支部長
大阪生まれ、大阪育ち。 同志社大学卒業後は主に東京で仕事をし、アメリカのイェール大学では経営学を学びました。 コンサルティング会社、グローバル企業であるロイター通信やフォード自動車等では人事の責任者として経験を積み、長年ビジネススクールの講師も務めております。 グローバルと日本の両方の経験を、是非とも大阪の皆さんとともに国政に活かしたい、その思いでいっぱいです。

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