地震大国日本と科学技術とエネルギー

今日は1月17日、あの阪神淡路大震災が起こってから22年の歳月がたちました。犠牲者の方々、そして遺族の皆さまはさぞ心残りが大きいだろうと思うと、心が痛みます。

日本は地震大国です。首都直下型地震も南海トラフ地震も、近々、非常に高い確率で起こるような報道がなされ、その際の被害者は何十万人にも上ると試算されています。一方で我々の生活を見ると、子供たちは学校に行き、大人は働き、お年寄りは余暇を楽しみなどの普段と変わらない生活をしている。報道を見ると怖いとは思うし、行政はヘルメットや懐中電灯に水や非常食などの災害時の備えをすることが推奨しています。

とはいいながら、日々仕事しないと生活はできないし、糧を得る仕事は東京にあるし、名古屋や大阪にあれば、いまさらどこに行くわけにもいかず、生活せざるを得ない環境の中にいるということなのでしょう。

テレビなどで地震に関する番組を見るたびに思うのは、我々の普段の生活は、祈りにも似たような「地震よ、起こらないでくれ。そもそも100%起こると言ってる訳じゃないから大丈夫」と、自らに言い聞かせて暮らしているような気がしてなりません。

シベリアや北欧の地殻のように、何万年も地震が起こった形跡のない土地ではなく、日本はいわば「想定外」と言われる場所や規模の地震が頻発しています。その日本に40基以上の原子力発電所があるのです。

人類はこれまで科学技術の発達で、多くの変革を成し遂げてきました。宇宙開発でいえば、アポロ11号が月面に人を送ったのはもう49年前です。最近は、無人とはいえ火星の直径500メートルあまりの小惑星から地表サンプルを収取して帰還するなど、凄いことをやってのけています。また、138億年±1億年という宇宙の年齢までも見極めました。

原子力もこのような素晴らしい科学技術の一つではあります。しかし、宇宙開発に活用するならまだしも、これを身近なところにおいて発電に用いることのリスクをしっかりと考える必要があると思います。高速増殖炉もんじゅが失敗したように、リスクとのバランスで選ぶべき道を考えるのも人類の英知かと思います。

人類は過去にそれだけの科学技術力を高めてきたのであれば、原子力とは違う形で次の世代を切り開く技術に期待することもできるということです。一例でいえば、現代の化石燃料による温暖化問題も、LEDで少しでも押さえ込んできたわけです。再生可能エネルギーもまさしくです。いま我々は、目先の利益と将来の安定をしっかりと考え、決して近視眼バイアスに陥らないような施策を打つ必要があると考えます。

村上のりあつ【衆議院】大阪府第1区総支部長
大阪生まれ、大阪育ち。 同志社大学卒業後は主に東京で仕事をし、アメリカのイェール大学では経営学を学びました。 コンサルティング会社、グローバル企業であるロイター通信やフォード自動車等では人事の責任者として経験を積み、長年ビジネススクールの講師も務めております。 グローバルと日本の両方の経験を、是非とも大阪の皆さんとともに国政に活かしたい、その思いでいっぱいです。

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