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内部留保を働く人々に還元して、給与を上げる方法とは?

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9月2日(月)企業統計調査が出されました。企業の内部留保が金融保険業界を除き600兆円を越えたということです。アベノミクスが始まった頃は、約300兆円だったことを考えると、なんと2倍になったということです。

内部留保とは利益剰余金のことで、企業が積み重ねてきた利益です。なんか貯金のように現金で持っているような感じがしますがそうではありません。もちろん現金もある(後述します)のですが、有価証券や不動産や設備の含み益にもなっていますから我々個人の預金とは少し違います。内部留保はその企業が頑張ってきた証でもあり、コロナのような緊急事態の際に乗り切る資金となるので、内部留保がしっかりあることは否定されるものではありません。

企業の利益は働く人々にはさほど還元されてこなかった

ただ問題は、企業はこれだけ内部留保を増やせてきたのに、それが働く人たちにあまり還元されていないということです。賃金はアベノミクス前の2012年から約12.6%しか増えていません。さらにこの数字には30%以上増えている役員報酬も含むので、一般の社員の皆さんの賃金伸び率は10%ほどです。設備投資の伸びも資本金10億円以上の企業でみても42.6%しか増えておらず、内部留保の伸びには遠く及びません。つまり企業が稼いで利益が、設備投資という経済を高める方向に使われてもなく、ましてや働く人たちに十分に還元されてこなかった、ということなのです。

さらにみると、前述した企業の保有する現預金はアベノミクス以降1.79倍に増えており、当期純利益に占める配当率も2012年の38.1%から47.3%に増加しています。企業は儲けた分を現金でもつ部分を増やし、社員にではなく株主の配当を厚くしてきたということです。つまりアベノミクス以降とくに、企業が儲かり配当や株価は上がったが、次の経済を高める設備投資や働く人々の賃金にはあまり反映されず、現金保有や役員報酬アップに使われ、残る余剰は内部留保として蓄積してきたということです。

ただでさえ賃上げに繋がってないのに、円安による物価高のあおりを食えば、それは国民の生活は苦しくなります。物価要素を差し引いた実質賃金でみると1997年をピークに20%ほど減っています。何度もブログで書かせてもらってますが、なぜ与党はここまで普通の国民の生活には目を向けないのでしょうか?普通の国民は裏金を払わないからでしょうか?


ではどうすればいいか?方法はいくつかあります。まず企業は、特に大手企業は内部留保を拡大させるほど余裕があるのですから、賃金を上げる仕組みを企業に提供することです。

  • 最低賃金のアップです。大手企業では最低賃金で働く人は少ないでしょうが、確実に底上げ効果があります。もちろん、最低賃金アップの影響を緩和する中小企業に対するサポートは重視しながらです。
  • 内部留保課税は効果あるのではないでしょうか?現預金部分に対する課税もです。税金で取られるなら社員に還元しようという、企業に対して賃上げのインセンティブになるでしょう。
  • 法人税の適正化も重要です。消費税の増税分は社会保障に使われるはずでしたが、そうなっておらず、法人税減税と累進所得税の減税に充てられてきました。おかしな話です。消費税は収入の少ない人も生活必需品購入でも納税します。これでは格差を拡大させます。

さらに賃金を抑えて利益を出しても、法人税が少なければ残る分が大きいわけですから経営にとって低い法人税は賃上げインセンティブにはなりません。以前のように適正にしていくことは不可欠です。法人税率アップは、税金を払うのならということで、賃金アップした方がいいというインセンティブとなるでしょう。

金融資産の譲渡課税強化も必要です。配当をどの程度出すかは企業の判断です。ただ、配当や株式のキャピタルゲインなどの儲けに対する税率が20%強と少ないのは問題です。20%といえば、課税所得が195万円を越える人は住民税と所得税で20%の負担になります。社会保障負担を入れれば、働く人たちは20%を越えて負担をされているのです。現行の税制では、金融資産譲渡や配当で何億儲けても20%強の税率という状態です。これは不公平でしょう。ですから、一定以上のこの金融資産の譲渡税や配当に対する課税強化(ヨーロッパは25%-30%が多い)は、税の公平性を考えても必要なものだと考えます。


これらは税金を上げる話に聞こえますが、これらは企業や富裕層に対するものです。その税収でもって、教育・医療などベーシックサービスの充実などに充てていく必要があります。アベノミクス以降、純金融資産が1億円以上の人は150万人と約8割増えました。富裕層の皆さんが豊かになれば、お金を使って普通の人も豊かになるというトリクルダウン理論が言われましたが、結局は失敗でした。豊かな人は収入が増えても、さほどお金は使わず外国株などの投資に回ってしまいます。

年収1億円の人が年間50万円の収入が増えるよりも、250万円の人が50万円増えて300万円になる方が、増えたお金を使う率は高いでしょう。消費に回る率が高い、つまり収入増に対する消費性向が高いわけです。経済に寄与します。

人々が豊かになってこそ、消費が高まり経済が栄える

日本のGDPに占める個人消費は60%近くあります。普通に働く人たちの収入が増えれば、街で使うお金も増えます。人々はハッピー、買い物してくれてお店や企業もハッピー、そして利益が出たら税収も増えるでしょうからその貴重な税金を次の日本の発展や、さらに人々の幸せや豊かさの実現のために使うこともできます。人も企業も国もハッピーな政策なのです。

今日は長くなりました。税金の問題は関心の高い分野だと思います。是非、皆さんのご意見をいただければと思います。



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