村上は経済政策についてはよく語るが、その他の分野はどうか?と聞かれることもあります。今日は外交・安全保障政策について書かせていただきます。
使途不明の防衛費増額はあり得ない!
安全保障というと今、問題になっているのが、防衛費を43兆円増やすなどという話です。その金額の妥当性、つまり何に使うのかが明確にされないまま数字だけが独り歩きしている。全くお粗末と言わざるをえません。防衛省制服組のOBの方も首をかしげています。会社でも上司に予算要求するときは、中身の説明は不可欠ですよね。当たり前の話です。
武力に偏らない安全保障
そもそも安全保障は武力だけではないということなんです。昨今の紛争はサイバー攻撃やプロパガンダなど、様々な形態があります。そして、そういった攻撃よりも、人材の交流とか経済の相互依存とか、お互いを知り合って平和裏に関係を高めていくソフトパワーはもっと重視されるべきです。日本、アメリカ、中国でみますと、その貿易量はそれぞれ1位2位の関係です。米中の対立でも、いかに矛を収めるかという形で行われてるのが見て取れます。グローバリズムが途上国を搾取するような形で拡大するのは問題ですが、良き側面で考えれば、グローバリズムはお互いが必要になる関係とも言えます。これからはグローバルサウスと言われる国々が台頭してきて、日米中やヨーロッパの先進国だけでなく、それぞれがお互いに関係性を強めていくことこそ安全保障上、重要になるのです。
有事を煽る卑劣な政治手法
そして触れておかなければならないのは、外国の脅威、例えば台湾有事などを煽る風潮は非常に危険だということです。有事って何でしょうか?ロシアはウクライナと紛争中ですが、季節が悪い時はドニエプル川を渡ることが難しいと言われています。要するに軍隊を送り込んで相手方を占領するには、ぬかるんだ川一つでも進行するのはなかなか難しいということです。
台湾と中国の間には海があります。そんな簡単に攻め込めません。中国の海兵隊を総動員しても送り込めるのは10万人まで、台湾にはその3倍の兵力があるといわれています。容易ではないのです。ミサイルを撃ち込んで相手方を廃墟にすることはできるかもしれませんが、何の意味もありませんし、国際社会からの批判はとんでもないものになるでしょう。つまり台湾有事は、現実問題として、極めて起こりにくいものです。台湾の国民世論も、中国との関係を現状維持としています。
これを煽って軍備増強や、自国の内政のお粗末さを外に目を向けてごまかす、といった卑劣な政治が行われています。外国の脅威を煽る手法は厳しく批判されるべきです。 ソフトパワーを重視した外交安全保障、もっとここに重点を置く必要があります。
コメントを残す