立憲民主党和歌山県第1区総支部


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やりがい搾取が蔓延するのは政治の責任!

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以前、介護や保育のお仕事をされてた方とのお話しですが、収入についての不満をおっしゃっておられました。やや改善傾向にはあるものの世代相場よりも月収で10万円近く水準が低い。精神的にも肉体的にも厳しく、将来不安で転職を考えたこともあるが、目の前の子ども達やお年寄りを見ていると辞められないとのこと。

小学校の先生をされている方々とのお話では、いま大学を出たばかりに戻ったとして、もう一度先生になるかは分からない…でも子供たちは大好き…やっぱり先生を選ぶかも…まさしく、やりがいと責任感でやっておられるのです。


介護や保育といった仕事は、助成金という形で行政が間接的に処遇をコントロールしている仕事です。働いておられる皆さんは、やりがいとその思いを支える責任感の強さで自らを鼓舞されておられます。やりがい搾取という言葉が最近使われますが、これでは国家によるやりがい搾取、責任感搾取状態と言わざるを得ない状態です。学校の先生は、処遇についてはさほどおっしゃっておられませんでしたが、長時間労働や保護者の方々との対応は非常に疲れると。そもそも人が少ないのです。

介護や保育に携わる方々には処遇アップの予算を付ける、学校の先生方に対しては人員拡充やメンタルケアの専門家を付けるなど、やるべきことは多々あります。これらはすべて、彼らが接している子供たちや幼児、そしてお年寄りの笑顔につながるのです。

責任感を搾取する社会規範

辞めると周りに迷惑をかけてしまう。休みをとるには自分でその代役を探さなければならない、という職場の話を聞きました。喫茶店チェーンでアルバイトしていた大学生が「3週間ほど先に、一日の休みが欲しい」と言ったら、店長が怒って「シフトが決まっているのに何を無責任な。休むなら自分で代わりを見つけなさい!」と言われたとか。よく聞きそうな話です。

この話を外国人の友達に言ったら「シフト管理は管理職の仕事じゃないの?アルバイトなのに、なんでそんなこと言われるのか?」と怪訝な顔をしていたとのこと。日本の企業社会は「社員も社長の意識で働くように」と言われてきました。もちろん責任感を高くもち仕事をするのは素晴らしいことです。社長の観点で仕事をするのは悪いことではないのですが、報酬や休暇取得などで、その責任感を搾取するのはいけないということです。

その喫茶店チェーンでいえば「代わりを見つけてから休め」と言った店長の方もある意味、責任感搾取されているのでしょう。働く人がある程度フレキブルに休暇を取りやすいように、店の運営に人員配置などで余裕を持たせるのは会社の責任です。にもかかわらず、社員にその責任感を押し付けているのであれば、それは責任感搾取でしょう。

カスタマー・ハラスメントなんていう言葉もあります。「お客様は神様です」をギャグ半分で言っているのは構いませんが、顧客の方もサービスに対する過度な期待というのは問題です。これはある意味日本のおもてなし文化の良き面でもあるのですが、そのしわ寄せが働く人に行っている現状は問題です。

働く人たちが権利意識高められる風土を作り易いような、行政の取り組みが必要

働く人たちが権利意識を高めてもっと権利主張する社会風土になっていくことは、私は推奨されるべきだと考えます。契約した時間と仕事は責任をもってしっかりする。一方で、会社と自分の役割を鑑みて、無茶な要求にはNOというのは当然です。責任をもって仕事をする優秀な人が、やりがいや責任感を搾取する会社を去っていけば、会社は困り改善していくでしょう。

行政も、助成金などで管理している仕事があれば、そこに対してはしっかりとした予算を付ける。介護や保育の仕事のように、世代相場より大幅に安いというのは大きな問題です。これらの改善はもちろんのこと、最低賃金アップや働く人たちの環境改善に法律の面から後押しすることは政治の仕事です。

働く人々の権利意識の向上、そして政治がそれを支援する仕組みづくりを行う。この双方が両輪として動いてこそ、社会規範は変化し、やりがい搾取や責任感搾取などということばは死語になっていくのだと考えます。


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