日本の働く人々は、もっと「したたか」になろう!

先日フェイスブックでアップした「トラック輸送の仕事は重労働なのになかなか稼げない。人手不足になり、そのうち荷物を運ぶ担い手がいなくなる」という趣旨の記事に関連しての意見です。http://news.yahoo.co.jp/feature/470

 

そもそも、人手不足なら給料が上がるはずなのに、どうして人手不足と重労働が同時に進むのか?またよく似た話で、中小企業は円安になって輸入価格が上がってもなかなか価格に転嫁できないというのもよく聞きます。原価が上がったら価格に転嫁しないとやっていけないのに、価格転嫁すると他に仕事が逃げてしまうのできない。一方で、人手不足で人件費が高騰している業界があります。東北の復興需要やオリンピック需要により建築関係に従事されている方々の人件費が高騰しています。どちらが本当なのか?

 

これはどちらも本当だと思います。人手不足で需要が多いのなら当然賃金は上がるはずだから、建築作業に従事する人々の賃金は上がります。トラック輸送業界は、まだまだ重労働で賃金が高くなくとも働く人たちが多いということだと思います。ですから、この記事にあるように本当に人手不足状態に陥ったら、今の建築業界のように賃金は上がるはずです。中小企業の価格転嫁も同じで、やっていけなくなったら価格を転嫁するでしょう。確かに、短期的には中小企業よりも大企業の方が交渉力は強いため、中小企業が泣かされるということが起きがちです。またトラック輸送業界の例でいえば、すぐに次の仕事に移るのはハードルが高く、泣く泣く重労働に耐えているという現実もあります。

 

このような問題に対して、政治の世界から短期的にすべきことは、中小企業の価格転嫁で、特に消費税分の転嫁などの基本的なところがしっかりとなされているか確認することは必要です。トラック輸送業界に関しては、安全という観点から、行政による労働条件の監督ということも必要になるでしょう。

 

一方で、我々、働くものとして防衛できることもあるはずです。それは、中小企業経営者の皆さんでは、取引先の大企業からの価格転嫁を拒む難題をはねのける体制を作っておくことだと思います。価格転嫁を断り仕事が逃げたとしても、しばらくの間は凌げる財政的余裕。価格転嫁しても取引先が逃げないような技術力確保、あるいは取引先の幅を広げて1社から断られても他で対応できるような営業体制等々です。重労働の業界にいらっしゃる方は、なんとか時間とお金を工面して、別の技能を身に付けるための職業訓練や勉強をするなどです。そうすれば、給料が低下していけば辞めて他の仕事に移ることができます。

 

こういった話をすると、強者の論理だという批判を受けそうですが、いい意味で働く人たちや中小企業経営の方々はこのように「したたか」になることも必要かと思います。政治の世界からも長期的視点に立って、この「したたかさ」をサポートするような施策、例えば失業時の就労支援だけでなく職業訓練支援が必要です。中小企業の経営者の方々には、上にのべたような経営能力向上支援をもっと強化していくことが必要だと考えます。これらはまさしく、民進党が主張する「人への投資」です。これによって、働く人や日本の産業を支える中小企業が活き活きと活動できる社会が実現するのではないでしょうか?