遠い国は同じように見える?近くの国もよく知らない…

都議会議員選挙は自民党の大敗。われわれ民進党も席を減らし受け皿にはなれていません。一方で「尊厳ある社会保障制度」など、民進党の抱くビジョンを作成しクリアに伝えていく準備が進行中です。できるだけ早く、有権者の皆さんにしっかりと訴求していかなければならないと痛感しています。

政治ネタは批判ネタが多くなり書く方も疲れます。今回のブログテーマは政治ネタでなく、外国というものの見方について私なりの見解を書かせていただきます。第一弾として、ステレオタイプについて考えます。欧米とか、日本人とか、十把一絡げに言うことが多いものですが、当たり前の話、日本人でも多様で色々な人がいます。それにしても欧米って広過ぎますよね。また、近いところもお互いよく知っているかというとそうでもないような。これについて私が思うところを書きました。

2015年にはインバウンドがアウトバウンドを越えた!

日本に来るインバウンドの観光客は2,000万人を越えています。当初の達成目標期限より速いペースで到達し、宿の手配が大変ということで民泊の解禁もまだまだとはいいながら法律で進んでいます。インバウンドのうち、トップが中国で637万人、韓国509万人、台湾417万人、香港184万人、アメリカ124万人などが常連の上位5ヵ国(日本政府観光局2016年)です。上位4か国までがご近所さんです。一方で、なかなかこれら東アジアのご近所さん同士は、政治的にギクシャクしている現実もありますが…

韓国や中国、アジアの国々などにしょっちゅう旅行している友達がいます。私の友達の例を出すまでもなく、アウトバウンドも相当な数です。しかしながら、2015年にはアウトバウンドである日本人の出国よりも、外国人のインバウンドが増えたとのことです。これは1970年以来とのこと。いろんな国から人々が来てくれるのは、経済面で考えても、日本の良さを知ってもらう文化交流面で考えても喜ばしい話です。

遠い国は十把一絡げ!?

以前、アメリカのミシガン州、自動車の街デトロイトの郊外に住んでいました。その頃の話ですが、和食レストランを調べていくと、その入り口で、どうもなんか相当な違和感。入り口を入ってみると、左に行くと韓国料理で、右の方には日本料理となっていました。入り口は同じです。内装も中に入っての左右で全然異なり、でもなんとなく繋がっていて、これはどこの国だ?と思うような雰囲気でした。

聞いてみると、レストランの経営者はアメリカ人で、我々から見ると違和感満載なのですが、彼なりには日本と韓国のテイストをしっかりと注ぎ込んだとのこと。当時のミシガン州にはもちろん日本の自動車会社も進出しており、デトロイトは郊外も含め3,000人の日本人が暮らしているといわれていました。しかし、ニューヨークやハワイほど日本通の人が経営して日本人や韓国人のテイストに合致した料理や雰囲気を提供していたわけではないのでしょう。通でなければ、日本も韓国もよく似た国ということなんだと思います。

日本も同様です。以前、東京の下北沢でランチタイムになり、食べるところを探していたらなんと「インド・パキスタン料理」というのがありました。この両国は、イギリスの統治から独立する際に、宗教的な理由に加え、アメリカとソ連・中国との対立にも利用され、両国は互いに対抗して核実験もしています。この歴史的な詳細は置いておいて、戦争状態にある二つの国を並べてインド・パキスタン料理というのを見て、不謹慎にも思わず苦笑してしまいました。

もう一つ、これは完全に笑ってしまったのですが、ある会社で私がイギリス人の上司と新しく着任した本社の人事部長の話しをしていた時です。私のイギリス人上司が「ジョン(本社の新任人事部長)はアメリカ人だから、ドラスティックでドライな人間だ!」というので私は「いや、ジョンはカナダ人ですよ」と返しました。そしたら私の上司はすかさず「Same. North American!!!」と言ったのです。私は、アメリカの東海岸の北部に住んだことがあり、カナダにも何度か行ったのですが、アメリカとカナダの雰囲気や人はずいぶん違います。

半分冗談で言ったのかもしれませんが、イギリスから見ればアメリカとカナダは同じようなものなのでしょうか。日本と韓国、インドとパキスタン、アメリカとカナダも並ぶのでしょうか?我々日本人も本当に他人のことはいえません。よく「欧米」という言葉を使いますが、これはいくらなんでもちょっと広すぎますよね…

近いところほど互いに知る努力が必要では

要するに、近いところは微妙な違いが気になって、喧嘩が起こるのだが、遠いところは十把一絡げにしてしまうということでしょうか?そもそもイギリスには、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドがあり、オリンピックこそ一国で出てきますが、サッカーやラグビーのワールドカップでは別々に出場してきます。よく知らないと違いが分かりません。

思うに、隣国とは歴史的にも関連が深く過去の遺恨があったりもするでしょうが、だからこそお互いに、尊敬するための努力をして歩み寄るべきではないかと考えます。隣国の歴史を真摯な気持ちで勉強するべきなんでしょう。そして、遠い国のことは、十把一絡げでなくもっとしっかり勉強しなければならないと思います。

日本の多様性の凄さ!

最後に、日本の自慢ですが、以前、六本木でキャッシュ・オン・デリバリーのワンショットバーで飲んでいた時、友達の外国人曰く「このバーは凄い。なんで、こんな狭いバーに人種がいっぱい入り乱れているのか?」と。「ニューヨークは店によって来る層が分かれている。ロスアンジェルスは多様だが、だいたいは広い店で、中で何となく分かれている。ロンドンも多様だが、イギリス人と外国人という見えない壁がある。日本の交流は凄い!」とのこと。

これは東京の話です。私の選挙区は大阪の中心部で、様々な外国の方が来られていますが、さすがに、今の東京の多様性には大阪もなかなかかなわないです。大阪も負けないように、我々のホスピタリティでまず海外からの観光客の人達を気持ちよく受け入れたいものです。我々、大阪人であればホスピタリティ勝負でいけば東京に勝るとも劣らない国際都市になっていけると期待し信じています。そして、文化的にも受け入れをしっかりして、シリコンバレーのように活躍している人の半数近くが外国人という街。ここまでは無理でも、大阪がそれに近づいていったら更に楽しい街になるのではないでしょうか?最後は、地元の話で失礼しました…

村上のりあつ【衆議院】大阪府第1区総支部長
大阪生まれ、大阪育ち。 同志社大学卒業後は主に東京で仕事をし、アメリカのイェール大学では経営学を学びました。 コンサルティング会社、グローバル企業であるロイター通信やフォード自動車等では人事の責任者として経験を積み、長年ビジネススクールの講師も務めております。 グローバルと日本の両方の経験を、是非とも大阪の皆さんとともに国政に活かしたい、その思いでいっぱいです。

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