日本は資源国である!

前のブログでは、人への投資ということで、就学前教育や高等教育などの教育投資について書きました。教育投資は社会保障政策であると当時に経済政策でもあるのです。

 

自民党は日本維新と組んで、憲法に教育の無償化を書き込もうとしていますが、そもそも教育の無償化は、憲法改訂のような莫大なエネルギーを使う事をせずとも一般法令で可能です。自民党の狙いは、教育の無償化という耳当たりの良い改定案と抱き合わせにすることにより、憲法の9条を改訂したいというところでしょう。

 

自民党の改憲狙いはさておき、民進党の掲げる人への投資は、子供たちの教育無償化だけでなく、大人への投資という面でも重要なものだと考えています。これは日本の長期的な発展に欠かせません。

 

 

人的資源で経済を高めてきたのが日本!

 

日本には資源がない、と言われます。中東やアメリカのように国土を掘っても石油やシェールガスは出てきません。レアメタルやメタンハイドレードは日本の排他的経済水域の深いところにはあるようですが、なかなかコストが合わない、というのが現実です。我々はエネルギーの多くを外国からの輸入に頼っています。しかし、本当に日本には資源がないのでしょうか?そんなことはありません。ないのは天然資源です。日本には素晴らしい資源、人的資源があります。

 

1970年代、マスキー法という当時からすれば非常に厳しい大気汚染規制法が出され、その関連で排気ガス規制がアメリカで導入されようとしました。フォード、GM、クライスラーなどアメリカの自動車会社はロビイングで政府に働きかけ、その法案を潰すか延期しようとしていましたが、この流れの中でカリフォルニア州では非常に厳しい排気ガス規制が設けられたのです。

 

それに目を付けたのがホンダ自動車の本田宗一郎氏。これはチャンスだと規制に適合できるエンジンの開発に取り組み、ホンダの技術者はCVCCエンジンを開発してしました。日産やトヨタも追いかけ、そこからです、日本の自動車会社が世界に冠たる地位を築くスタートになったのは。

 

他にも、日中関係がぎくしゃくした数年前には、レアメタルの輸入が少なくなり経済に悪影響があるのではないかと懸念されましたが、これも代替技術が発達しました。まさしく日本の産業界の底力で、我々日本人は、追い込まれるとそれを乗り越えるため能力を発揮してきました。

 

 

おもてなしや細部へのこだわりも日本の強み

 

こういった技術力への投資に財源を回すというのが大人への「人への投資」です。ただ、こういった技術での「人への投資」というと、前述の自動車のエンジンもそうですが、IPS細胞やスーパーコンピュータのようなノーベル賞級の凄い技術のように思え、普通の人にはかなわないというイメージをもってしまいがちですが、そんなことはありません。

 

我々日本人の強みである日常の「おもてなし」や、大阪でいえば創意工夫を凝らした美味しい食べ物を作るための調理能力向上、中小企業の町工場での現場のスキルアップも素晴らしい技術への投資です。介護や保育など、これからの社会保障に欠かせない人材の育成も人への投資なのです。これらの仕事はみんな、しっかりとした訓練なしで携われる仕事ではありません。職業訓練などのスキルアップに財政的な補助を出すなどし、一般の人々がもつ力が上がってくれば、日本の魅力も向上し「日本に旅行してみたい、日本のサービスを受けてみたい」と思ってもらえるようになり、経済発展に繋がってきます。

 

 

環境変化への対応のためにも不可欠な人への投資

 

我々を取り巻く環境はもの凄いスピードで動いています。マクドナルドが世界展開するのに30年を要したのが、スターバックスは5年でやる時代。世界の亀山工場と謳われた、あのシャープでさえ外資系企業になってしまう時代です。シャープの経営者の方々も、良かれと思って判断した液晶テレビへの投資が失敗してしまいました。本当に何が起こるか分からない世の中ということです。このような環境変化に対応していくという意味でも、人への投資で、我々日本人の力を常に高めていくことは日本の国力向上にとっても不可欠なのです。

 

1987年10月に起きたニューヨーク証券取引所の株価大暴落、ブラックマンデーの際、経済学の巨匠であるポールサミュエルソン教授は「株価は落ちたが人々の持つ人的資源はそのままだから心配はない」といいました。人的資源は、バブルのように急に弾けて崩壊することはないのです。逆に、地道な人への投資という努力なしに、急に拡大することもありません。長期的視点に立って育む必要があり、一朝一夕では高まらないのが人的資源ですが、これを高めることにより早々は崩れない資源を手にすることができるわけです。