共謀罪は不要!テロ防止には別の法律が必要!

国会では共謀罪の議論が行われています。共謀罪というのは我々の社会を住みにくくする非常に大きな問題を内包している、これを整理してみたいと思います。

 

 

共謀罪無くても国際組織犯罪防止条約にはすぐ締結可能だし、オリンピックも開ける

 

まず安倍政権がテロを防ぐために締結必要といっている国際組織犯罪防止条約は、そもそもテロを取り締まるための法律ではない、ということです。これを締結しないとオリンピックやパラリンピックが開けないことはありません。この条約はマネーロンダリングや人身売買など、国際的な経済犯罪を取り締まるものです。つまり、テロとは関係のない条約ということです。

 

そして、安倍政権は、国際組織犯罪防止条約に批准するために共謀罪を法制化する必要があると説明していますが、その必要もありません。この条約は現行の法律だけで批准することができます。187の国と地域が締結していますが、共謀罪のような法律を作ったのはブルガリアとノルウェーのみ。日本がこのような法律を作る必要は全くないのです。

 

要約すると、安倍政権が共謀罪を作らないと批准できないと言っている国際組織犯罪防止条約は、現行法のみですぐにでも批准できる。さらに、この国際組織犯罪防止条約はそもそもテロとは関係のないもので、オリンピックやパラリンピックの開催とは何の関係もないものなのです。このデタラメぶりには恐れ入ります。

 

 

民進党の法案、テロを防ぐには他にやるべき法整備はある

 

テロは未然に防がなければならない。当然です。日本は既に、13のテロ防止関連条約を締結していますが、さらに強化するとしても、そんなテロと直接関係のない条約に締結よりも、やらなければならないことは他にあります。例えば、民進党がハイジャック防止のために国会に提出している「航空保安法案」を一刻も早く審議して、成立させることです。現在では日本への入国時に荷物検査やボディチェックは各航空会社が行っていますが、それを国でしっかり管理するようにするなどです。日本は島国ですので、水際での対策が功を奏しやすいのです。安倍政権は、やるべきことをしっかりやろうとしないで、関係のないことをしようとしているのです。

 

 

思想監視社会になるリスク!

 

いや、それにしても、どうしてテロと関係のない共謀罪を無理やりテロと絡めて通そうとしているのか?普通は不思議に思うはずです。ここはこの共謀罪の詳細を見れば、その意図がくみ取れるというものです。簡単にいうと、人々の内心である思想信条を含めた監視社会を作ろうとしていることが見て取れます。

 

共謀罪は一般の人々は対象にならないと安倍政権は言ってきましたが、ついに4月21日には盛山法務副大臣は「対象にならないということにはならない」と答弁されました。正直な答弁でしょう。環境保護団体でも、草野球チームでも、普通の一般団体が犯罪組織に変わった段階で対象になるのでしょう。しかし、犯罪組織かどうかの基準は非常に曖昧です。その判断は誰がするのでしょうか?国が進める米軍基地建設を反対する運動、これは犯罪組織でしょうか?警察がそう判断するとそうなってしまう、ここが曖昧で問題なのです。

 

人それぞれに思いがあり、自分たちが正しいと思う社会を実現しようとする。これは問題ないはずです。テロリストがいけないのは、言論による説得ではなく暴力を使ってやろうとするところです。その暴力が行われた段階で取り締まるのではなく、基地建設反対とか環境保護必要といった思想の段階で取り締まろうとするのが。まさしくこの共謀罪なわけです。多様性の高い自由な社会でありたい、と思いデモをしようとしたら捕まるリスクがあるのです。

 

 

相互監視社会になるリスク!

 

犯罪組織の判断が曖昧であるとともに、もう一つ、その判断を下すために行われる情報収集にも大きな問題があります。自然環境保護団体や草野球チームが犯罪組織に変化したかどうかというのはどのように見つけ出すのでしょうか?変化したということは、変化する前から見ていないといけないわけです。要するに、自然環境保護団体の頃から、または草野球チームの頃から監視していないと変化などは見て取れません。つまり、目をつけられるとずっと監視されるということです。

 

暴力などの犯罪行為が行われれば色々と証拠は残るでしょうが、話し合われている段階では証拠はなかなか出てこない。となると、警察が目を付けた団体は、盗聴や盗撮さらには密告などにより情報収集するわけです。そして共謀罪には、密告した人は罪を軽減される仕組みが入っています。密告を奨励する、まさに相互監視社会です。これは悪用されれば、気に入らない人がいたら十分な証拠なく通報するという冤罪の温床にもなります。今の日本、警察に捜査されたというだけで社会的信用のダメージは非常に大きいものがあることを考えれば、この密告奨励の法律の怖さが見て取れます。

 

政府は監視社会にならないと言っていますが、元警察官僚の自民党議員である平沢勝栄氏は監視社会にはなるとおっしゃっています。けっして警察の方々を性悪説で決めつけているのではありません。そうではなく、これまで違法とされてきた捜査が合法的に行われるようになる、そういう監視社会になることが問題だと言っているわけです。

 

 

政権の意図を見抜き反対することが必要

 

すぐにでも批准できる国際組織犯罪防止条約にもかかわらず、共謀罪がないと批准できないと言ってみたり、そもそもテロとは関係のない国際組織犯罪防止条約に批准しなければオリンピックやパラリンピックが開けないと恐怖心を煽ってみたり、一般人に牙を向く法律の仕組みであるのに一般人は対象にならないと言ってみたり、監視社会になる仕組みがあるのに監視社会にならないと言ってみたり。

 

国民に真実を伝えないでこのような法案を通そうとするのは、絶対阻止しなければなりません。