働き方を改革しワークライフバランスを向上させるのに真に必要なものとは?

先日、大阪の天満橋で連合大阪さんの街頭活動がありました。働き方改革に関してアンケートを行っておられ、私も演説させていただくとともにアンケート収集に参加させてもらいました。質問内容は次の通りです。

 

 

連合大阪、働き方アンケート

 

1.週40時間1日8時間を超えて働くことはありますか?

2.36協定をご存知ですか?

3.勤務間インターバル規制をご存知ですか?

4.有給休暇は取りたい時に取れますか?

 

1と2に関してはセットの質問です。労働基準法の第32条によれば「週に40時間を越えて働かせてはいけない」とあるのですが、第36条では労使が協定を結び届け出れば時間外勤務を認められるというものがあります。第36条なので36協定(さぶろくきょうてい)と呼ばれています。ここには1カ月45時間とか年間360時間といった時間外勤務時間に関する上限の目安はあるのですが、法的な強制力はないため青天井になっているのが現状です。

 

超過勤務による過労死や自殺など、痛ましい事件が起こる中、この上限をしっかり設けようという政治での議論が民進党からされています。また、いま議題に上がっているのは、質問3にある勤務間インターバル規制です。仕事を終わってから次の仕事までのインターバル時間をしっかりと確保しようというものです。例えば、夜の11時まで仕事をしたら翌朝は10時以降の勤務にするなどです。適切な休憩や睡眠時間なしに働くことの問題は容易に想像できると思います。

 

そして4番目の質問である有給休暇。これは、しっかりと取られていないケースが非常に多い。会社側には時季変更権といって、業務に差し支える場合には有給休暇を取るスケジュールを変更できる権限というものはありますが、付与された日数は取ってしかるべきでしょう。私が経験したアメリカ企業では、まず上司が休みをしっかりととっていました。外国人上司なら当然のように。それに倣って部下もしっかりと休みを取れるというものです。日本の会社ではなかなか難しいのが現状です。

 

 

日本の生産性には伸び代が大きい!

 

我々は、これら働く者の権利に関してもっと高らかに主張して、権利を行使するようにすべきだと思います。日本の労働法が他の先進国に比べて特段優遇されている訳でもありません。先進国では一般的なものです。他の国であれば普通に行使されている権利です。こういう話をすると、日本は資源がないから勤勉さでカバーしないと…という反論があります。しかし、中東の国のように天然資源に満ち溢れた国は先進国にはありません。我々にあるのは、天然資源ではなく働く人々、つまり人的資源なのです。

 

ここについて、残念ならが日本の問題として指摘しなければならないのは、現状ではその生産性が高くないということなのです。日本のGDPはアメリカそして中国に次いで世界第3位ですが、単位時間当たりのGDPでみるとOECDの加盟国中でみると20位ほどにしかなりません。単位時間当たりのGDP、まさしく生産性が低い、つまり長時間労働でなんとか稼いでいるわけです。

 

購買力平価換算 US$(日本生産性本部資料)

 

日本の資源は我々の勤勉さであるのであれば、この生産性を高めないではどうしようもありません。休みもろくに取らず長く働いて、長時間で稼いだGDPでは諸外国に誇れる話ではありません。一方でポジティブに考えれば、今20位ということはまだまだ生産性の伸ばし代はあるということです。上の表を見れば分かりますが、なんとアメリカの時間当たりの生産性は日本の1.6倍あります。

 

 

政治の役割と働く人々の権利意識の両輪が必要

 

政治の役割として、長時間労働が起こりにくいような時間外労働規制や、インターバル規制に関する法律を設けることは必須です。そしてこれにより、働く人々は労働時間を短くしやすくなる。ただここで、働く人々の意識としても、当たり前の権利を当然のように主張して休暇を取ったり余暇を楽しんだり、ワークライフバランスを実行していかなければなりません。なんか「頑張って休暇を取る」みたいな変な話ですが、これまでの労働慣行からすれば、これを実現するには、ある程度の努力というか勇気の発揮も必要かと思います。

 

日本で単位労働時間の効率をアメリカ並みに上げればGDPは1.6倍になります。もちろんこんな単純計算ではありませんが、この生産性を上げていくためにも我々は、先進国では普通である働く人達の権利を主張すべきだと考えます。そしてそれにより経営者も生産性向上の努力をしていくわけです。働く人々が、さほど文句も言わずに長時間労働を受け入れてしまうと、経営の努力が弱まるのは当然です。

 

政治的には、長時間労働が起こりにくいような時間外労働規制や、インターバル規制に関する法律を整備していく。一方で、働く人の方からもっと権利の主張をすることによって、生産性の向上が達成されていく。この両輪が必要だと考えます。