ヤマト運輸が疲弊するのはAmazonが悪いのか?

宅配便業界が疲弊している

 

インターネットやスマホの普及でネット通販ビジネスが伸びてきて、宅配便業界が大変だといいます。私もAmazonはじめ通販で購入することが多いのですが、サイトを見ているとあと何時間以内に申し込むと即日配達だとか、翌日配達とか。それも良く購入するからかプレミアム会員で特段追加料金は取られないのです。気が長いとはいえない私なので、嬉しいといえば嬉しいのですが「今日中に着くといっても夕方は外出だし、明日で十分」と思ったりしながら購入しています。

 

こういった中、宅配ビジネスの現場で働く方々が大変な状況にあるとか。即日やら翌日配達で急な荷物が増えることはもちろん、昼間不在のマンションも多く宅配ボックスも満杯で夜の時間帯に何度も届けなければならないとか。記事によると、ヤマト運輸さんでは労働条件が悪化してきたため労使で話し合い、業績悪化覚悟でネット通販の仕事を減らす議論がされているそうです。下記に記事のサイトを載せます。

http://digital.asahi.com/articles/ASK2R5WFCK2RULFA03S.html

 

廉価でサービスを提供するネット通販業界が悪いのか?

 

しかし別にこれはAmazonをはじめとする、過当競争を繰り広げ安い宅配運賃に依存するネット通販業界が悪いわけではなりません。物流業界が悪いわけでもなく、消費者が悪いわけでもなく、もちろんそこに働く人達が悪いわけではありません。そもそもネット通販業界が即日配達で競争するのは勝手ですが、それは勝手にやればいい。しかし、玄関まで商品を届ける宅配会社だけが、ましてやそこで働く社員の皆さん方がその負荷を一方的に背負う必要はないのです。

 

宅配便業界は、その仕事を断るか価格を値上げすればいいのです。この記事によると、佐川急便は利幅の薄い商品は引き受けなくなったとのことです。賢明なというか経営としては当たり前の判断です。それにより失うものと得られるものがあります。利益は減るかも知れませんが、社員の厚生やモチベーション、それからもたらされる人材確保上の利点などを含めて、費用対効果を判断したのでしょう。ヤマト運輸さんが断ったら、あるいは値上げしたら、佐川急便はまた参入してくるかもしれません。それはそれでいいことです。

 

値上げすると他社に仕事を取られるという心配がありますが、それは仕事を取る他社が廉価なままで人材を確保しサービスを続けられるという、効率性な優れたシステムを有しており社員も疲弊していないわけですから、それはそれでいいわけです。実際に佐川急便さんは値上げ叶わず撤退したわけです。ヤマト運輸さんは宅配便業界のシェアの5割近くを押えるトップ企業ですから素晴らしいシステムを有していると思いますが、さすがに現在のネット通販会社の価格では対応できなかったということなんでしょう。

 

ヤマト運輸さんだと大きな労働組合があり、いい加減にしないと会社がもたないと労使で話し合えたわけです。ヤマト運輸さんが取り扱いを減らそうとすると、恐らくAmazonさんも値上げが必要になり、我々が購入するときの当日や翌日配達サービスの価格が上がることになるでしょう。でもそれは仕方ない話です。お客様は神様です!というのはいいのですが、働く人々が疲弊してしまえば経営は成り立たちません。会社が一番困るのは、社員が疲弊し、モチベーションが下がり、辞めていかれることです。

 

やはりもっと権利の主張を!そしてその準備も!

 

今回はしっかりした労働組合のあるケースですので、労働条件の改善につながりそうですが、そうでない会社の場合はどうすればいいか?ぎりぎりまで、過酷な労働に耐えざるを得ないのでしょうか?もちろん、労働基準法に違反する行為は厳正に取り締まられる必要がありますが、表に出にくく問題が起こっているのがブラック企業というものです。

働く人側からは「会社を辞めてやる!」くらいの勢いで社員の皆さんが自己主張していくことが重要なんだと思います。もっと権利を主張すべきです。ただその際の権利には、いざというときに辞めてやる!という伝家の宝刀を持っておくということなのです。これは「転職力は働く者の大きな武器」で書かせていただきました。政治的にはその転職異動期間のセーフティーネットの整備の必要性も書かせていただいています。

http://nori-murakami.jp/blog/?p=197

 

こうなってくると、この宅配便業界の記事にあるような「賃金が安いのに人手不足」というようなことは起こらないのです。建築業界に見る通り、好景気には給料は上がっています。以前のブログ「日本の働く人々は、もっと『したたか』になろう!」では、この件も書きました。

http://nori-murakami.jp/blog/?p=67

 

最後に、過去のブログ二つの紹介になりましたが、昨今でてくるニュースはそれぞれ絡み合っています。是非とも、併せて読んでみてください。