プレゼンテーションがうまくても出世はしない。政治でのうまいプレゼンテーションとは、クリアに語らないこと?

アイキャッチ映像は、2年前に出した本の新聞広告です。この本にも書かせてもらいましたが、企業に限らず色んな組織にはプレゼンテーションのやたらとうまい人がいます。ミーティングなどで颯爽と話し、なるほど~といった感じを導き出す人たちです。一方で「あいつはプレゼンテーションがうまいだけで、仕事なんかしていない!プレゼンのうまさで出世したようなもんだ」という愚痴を聞くことがあります。

確かに、たまにはそんな人もいるでしょう。小さな会社で社長にゴマをすったり、大きな会社でもその人の評価をできる人が極めて限られていたりする場合、また生産物をプロダクトとして出すような仕事ではなく、事業の報告などを主とする仕事などであれば、プレゼンテーションそのものが出世の技術に他なりません。

しかしながら、ほとんどの職種は成果を要求されます。売上を上げるとか、プロジェクトをまとめて終わらせるとか、製品を作り上げるとかです。「この製品を作るのはこういう方法で~」と格好よくプレゼンしただけでは不十分で、その後にモノを作らなければならないのです。営業戦略室はプランニングとプレゼンテーションが仕事とといっても、それで営業が売れなければまともな会社であれば評価されないでしょう。

当たり前ですが、プレゼンテーションだけで出世なんかあり得ない、ということです。50点しかやってないのに100点だといってもすぐに化けの皮が剥がれるというものです。かといって、100点の仕事をしても50点しか伝えられなければ50点の評価になってしまいます。要するに、プレゼンテーションは組織の中で成功するための十分条件ではないが、必要条件であるということだと思います。それがあったからといって成功はしない。しかし、どんなにいいことをしても、それを伝えられなければやったことにならない、ということです。

政治は自分にとってはまだまだ経験の短い世界なんですが、ここでは特に伝える能力は不可欠といわれるくらい重要だとは思います。質問や答弁などに加えて、普段のやりとりもそうです。思わずの失言は許されません。以前、厚生労働大臣で「女性は子供を産む機械だ」といった人がいました。こういった失言はこれまでに山ほどありますが、全部、心の中で思っているから出てくるのでしょう。失言では済まないことだと思います。

政治家も言ったことはビジネスの世界と同様で、実行しなければならない。公約違反という言が昔は流行りました。今は、以前に比べたら公約とかマニュフェストを気にする風潮が高まっているのはいい傾向だと思います。一方でその分、本音を隠して選挙するというのが主流になっているのではないでしょうか?

2016年の参院選では、自民党は憲法改訂を狙っているのに選挙のポイントからぼかしたり、2014年の12月の選挙では解散の理由が「消費税増税の先延ばしに対する審判」だと言っときながら、その消費税を再度延期したのに次は何も問わなかったり、とか。一度、なんらかの理由で選挙をやり、それをまた繰り返すのならば、総括する義務があろうはずです。ある意味ふざけた話ですが、政治の世界では、有権者の皆さんは、前向きのプレゼンテーションを聞いてどう思うかというよりも、隠された真意を見抜く力が試されているのでしょうか。

今日、実はFBでの紹介で書いたように、大阪府豊中市で起こった、国有地の不当な廉価での払下げに関する質問会に立ち会ってきました。ここでも、全くと言っていいほどプレゼンテーションになってない。いやむしろ、ここまで不透明ならごまかしてるのは見え見えということで最高のプレゼンテーションだったのかも。詳細はニュース等でもうオンエアなり書かれていますので、ご参照くださればと思います。

最後は我田引水で政治の話題になりましたが、プレゼンテーションがうまくなるにはどうすればいいか?というのを、後日のブログで書かせていきたいと思います。プレゼンテーションの本は専門家が多く書いていますが、私になりにまとめたものを書かせてもらえればと思います。こういう技術的で実利的な話も今後書いていきますね!

村上のりあつ【衆議院】大阪府第1区総支部長
大阪生まれ、大阪育ち。 同志社大学卒業後は主に東京で仕事をし、アメリカのイェール大学では経営学を学びました。 コンサルティング会社、グローバル企業であるロイター通信やフォード自動車等では人事の責任者として経験を積み、長年ビジネススクールの講師も務めております。 グローバルと日本の両方の経験を、是非とも大阪の皆さんとともに国政に活かしたい、その思いでいっぱいです。

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