日本人のまじめさを悪用した、コンビニエンスストア欠勤の罰金制度…

昨日までのブログで「人への投資が必要」といくつか書かせてもらいました。この日本では人材こそが貴重な資源である、ということです。ところが、この人材活用というところで、日本人のまじめさを悪用したケースが散見されるのは非常に残念です。

腹が立つというか情けない気がします。コンビニエンスストアでアルバイトをしている高校生の女の子が風邪でアルバイトを休んだ際、代わりを見つけられなかったので、休んだ分の時給を罰金として取られたとか。

高校生という社会的な知識がまだ充実していない若者を騙してお金を儲けているという、本当に悪質な行為だと思います。若者たちが一所懸命に働いて稼いだお金を、大人がこういう形でかすめ取るというのは、聞くのも腹立たしいです。

この記事によると、このコンビニエンスストアの加盟店は、罰金行為が法令違反に当たらないと認識していたような感じで書かれています。事実そうなのかも知れません。しかし「病欠が出た際に代わりの人の手当てをするのは誰の責任なのか?」というのは、普通ちょっと考えれば分かりそうなものです。店の経営者の責任に決まっています。ましてや罰金をとってどうするのか。代わりの人に罰金で受け取ったお金で時給を払えば、雇い主はただで人を雇ったようなものです。ちょっと考えれば、その行為の無茶苦茶さが分かるはずです。

コンビニエンスストアに限らず、学生さんのシフトアルバイトでは、罰金とまではいかなくとも、交代勤務者が見つけられなければ休めないというようなことが当たり前のように行われているようです。2月のシフトを1月20日までに提出したが、2月の予定を変えたい場合、自分で代わりの人を見つけられなければ本人は勤務しなければならない、これがルールだ!といったものです。明らかにおかしいです。人の手配は店長の仕事です。

外食産業など、店長さんは人のやりくりで大変なことは分かります。いや、そもそも店長さんにそのような間違ったアルバイトの使わせ方をさせている会社の方が、まったくもって不誠実です。突然の欠勤などというのは確率的に起こりうるわけですから、コストはかかるにしても統計的に予測して、一定数の人材をバッファーとして揃えておくのは会社の責任です。

こういったことが起こる背景には、会社経営にあたってのコスト管理の厳しさだけでなく、日本人のまじめさ「会社や働く仲間に迷惑をかけたらいけない」という気持ちがあると思います。つまり、日本人のまじめさを悪用しているということです。

最近の学生さんには、授業料や生活費を自分で働いて稼いでいる人達も大勢います。彼らからすれば、雇用主と悪い関係になって万が一解雇されたら生活が立ち行かない、という恐怖感で、おかしいと思いつつもこのニュースにあるような罰金を支払っているケースや、休みが取れないということもあるようです。悪質な会社は、日本人のまじめさを悪用し、また働かざるを得ない学生さんの弱い立場を踏みにじる、これはまったくもってとんでもない話です。

法令はあってもそれを知らないために、間違ったことをしてしまう、また悪用されてしまう、ということがあることを、我々働く人たちはしっかりと認識し、ある程度は勉強しなければならないのだと思います。生活防衛には避けられないことなのかも知れません。

村上のりあつ【衆議院】大阪府第1区総支部長
大阪生まれ、大阪育ち。 同志社大学卒業後は主に東京で仕事をし、アメリカのイェール大学では経営学を学びました。 コンサルティング会社、グローバル企業であるロイター通信やフォード自動車等では人事の責任者として経験を積み、長年ビジネススクールの講師も務めております。 グローバルと日本の両方の経験を、是非とも大阪の皆さんとともに国政に活かしたい、その思いでいっぱいです。

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