男女共同参画を進める鍵は、女性に重要な仕事を任せること

先日のブログでも書かせてもらいましたが、日本の生産性、単一労働時間当たりのGDPは先進国の中で最低レベルです。改めて、グラフを載せます。

これはもちろん男女問わない生産性ですが、今の日本社会、まだまだ女性の労働力をきちんと活用しているとは言い難い状況です。自分の経験で恐縮ですが、ある金融機関に融資を受けるため訪問した際、融資条件の最終確認を担当課長さんと行いました。それで押印等の事務手続きの段階になったときにその課長さんが「事務手続きは女性がやりますので…」と。私は「えっ、ジョセイなんていう職種があるんですか?」と思わず言ってしまいました。

 

また、ある会社の人事の責任者だった時、年金の見直しをしていて、某大手生保の営業担当の部長さんが女性の社員の方を連れてきており「色々と、書類等の受け渡しがありましたらこの女性の方まで連絡下さい」と。その時すでに名刺交換をしていたので、お名前はジョセイさんというお名前ですか?と聞いてしまいました。因みに、その女性の方は関西の一流の国立大学を卒業されていました。当社に入社して欲しいなと思うくらいの優秀な方でしたが、あとで聞いたら今の仕事は書類の運搬が結構多いとか。

 

どちらも気心知れた相手だったので、ちょっと意地悪な突っ込みを入れたわけですが、言われたご両人は嫌味とはあまり気付いていない感じでした。手前味噌で言わせてもらえると、長く外資系企業で仕事をしていた私からすれば、そんな場で「ジョセイ」という表現を使うのは考えられません。

 

業界にもよるでしょうが、要するに、日本の企業はまだまだ女性社員の皆さんにちゃんとした仕事を与えていない、人材の無駄遣いをしているのです。そうなると、能力が開発されるのも難しくなるのは当然で、自ずと管理職の女性比率も高まらないでしょう。女性活用のために、育休や産休をとってもらい、子育てをしてからまた仕事に復帰する、というのも大事です。ただ、そもそも、頑張りたいと思っている、そして優秀な女性の労働力をもっと活用しようとすることから始めなければ元も子もありません。つまり、能力が高そうな社員であれば男女問わずに仕事をさせることが必要なのです。

 

私がいた外資系では、子供ができて休みを取ってもらうことよりも、なるべく早く復帰できる仕組みを整えることに注力していました。なぜなら、重要な仕事をしてもらっているから、早く職場復帰して欲しいという単純な理由です。ましてや、日本企業で散見されるような、子供ができたから辞めて欲しいなんてことには全くなりません。活用している人材だから、そんなこともったいなくて言えません。一部の日本企業でそんなことになるのは、女性を活用していないからです。

 

まず、女性を男性と同じく、貴重な人的資源として捉えて仕事をしてもらう。そして研修なども含めて仕事の中で育てていく。人手不足が問題になっているくらいですから、日本企業はまずそこから、女性の労働力というせっかくの良いリソースを活用するべきだと思います。女性は結婚したり出産したりしたら辞めるとか、そもそも長時間働きたがらない、と言う人がいますが、これは決めつけでしょう。彼女たちをむしろ説得して頑張って働いてもらう。その心構えで企業が女性労働力を大切にしようとすれば、日本社会の人的資源の幅が広がり、ひいては日本の経済力を高めることにもなるはずです。育休や産休をしっかりと用意する、という以前にまずは、女性を貴重な人的資源として捉える、ここから女性の活用が始まると考えます。